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机上のレール



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朝日ビジュアルシリーズに「藤沢周平の世界」があります
なにかのとき、参考にと編集から頂戴したものです
その創刊号を開くと
最初のページに自宅の作業机にすわった氏の写真が掲載されています
朝日新聞社が撮影した写真です

見ると、50キロと思しきレールが原稿用紙の上に載っているではありませんか
たまたま置かれたものかと考えましたが
奥さんと娘さんの話を元に再現された部屋のイラストにも
しっかりと、レールが描かれています
無骨とも思えるレールが、あの「蝉しぐれ」を生んだ作者の机上に
どうやら常駐していたようです 

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藤沢周平は気合が入ったレールファンだった・・・とは聞いていません
でも、鉄道が好きだったかもしれません
どこかの開業式に出席して、記念品として贈られたものでしょうか・・・
気になります

写真やイラストからは、主として書き上げた原稿の上に置かれていたようですが
これだけ重いものを使う意味はどこにあったのでしょうか
これも気になります
レールのとがった部分で紙が傷つくこともあるでしょう
そのリスクを当然知っていて、あえて使っていたのでしょう

2階の6畳間が執筆の部屋だったそうです
季節のよい時は、正面と左手にある窓を全開にしていたことも考えられます
だとすると、書き上げた大事な原稿が風で舞わないように
重めのレールを”重し”として使用していたのかもしれません

エッセイなどをあたれば、あるいは何らかのヒントが隠れているかもしれません

しかしこのビジュアルシリーズをぱらぱら見ていたら
「蝉しぐれ」を全文読み通してみたくなりました
日本的で、淋しくて、それでいて魅力的なのです
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