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1編成しかいない新幹線電車

新幹線には幾つかの形式やグループがありますが、
一編成しかいない、異端の営業車が存在します。
JR西日本のF1編成がそれです。

ボディサイドに、大きなAの文字を描かれた西のN700です。
JR東海に大きなAのN700は数多く存在しますが、西は一本だけ。
これを捉えようと、真夏の東京駅に4日通いました。

P1600296.jpg
16番線ホーム先端から眺めた夏雲

初日は11時から19時まで現場に張り付きました。
博多発の「のぞみ」に入っている可能性があるというので、
上りの「のぞみ」2号から狙いましたが、来たらず・・・

夕方近くなって作業員のおばちゃんに声をかけられました。
16号車付近です。
「私の亭主は滝を撮ってますが、新幹線、好きなんですね」
「はい、でもF編成を撮りたいので、こうして待っているんです」
すると、脇にいた男性作業員が手にした表を見ながら、博多発の18時台到着列車に入っているというのです。
悪いと思いながら表を覗き込むと、たしかにFの文字が!
待った甲斐があったと意気込みましたが、残念 来たのは18時台は2本とも、X編成・・・

2日目は早朝からにしました。
10時ころになって乗客が一段落したところで、おばちゃん作業員に尋ねました。
「F編成? みんな同じですよぉ」
う~ん、でも違うんだなぁ
貫禄ある男性作業会社の方がいたので、だめもとで声をかけてみました。
「F編成? あれは一編成しかいないし、調子悪いみたい。このところ上がってこないよ」
すごい車輌と運用に詳しい方でした。
JRのOBかもしれません。

そのあと、各ホームの12両目あたりにある、職員用の一覧表を眺めても望み薄。
思い切って18番ホームの事務所に聞いてみました。
「Fですか、待ってください」
と親切に対応してくれましたが、ないとのこと。
16番ホームの方が詳しいから、といわれ、16番へ。
そこでも親切に調べてくれましたが、
「入ってくる列車に、Fはありません。ただ車庫からくるものに関してはこちらで把握していませんので・・・」
ということで、それから4時間ほど粘りましたが、来たらず。

3日目は、真っ先に16番ホームの事務所を尋ねましたが、おりからのお盆前の日曜とあってホームは大混雑。
事務所職員は1名、むこうを向いて仕事する姿がありましたが、ほかは誰もいません。おそらく皆さんホームでの仕事に専念しているのでしょう、空っぽ状態でした。
そんなわけで、尋ねるのは遠慮し、
各ホームの仕事用の一覧表を眺めてみましたが、
K、X、C、などばかりで、Fの表記はありませんでした。
この日はそれで帰る以外にありません。
ホームには2時間ほどいたでしょうか、入場券の規定時間内ぎりぎりに退散です。

4日目は携帯に情報が入りました。
14時13分到着博多発16号に、Fが入っている、いま上っているというのです。
時計を見たら東京駅で捉えられそうです。
鷺沼行きのバスがなかなか来なくてイライラしましたが、
東京駅17番ホーム先端には、なんとか10分前に到着しました。
14時10分、18番の「のぞみ」が出た後、その18番に到着予定です。

カメラはフォーサーズサイズの小型機を手にしていました。
フルサイズの一眼は仰々しくて、ホームでの撮影には向きません。
この4日間、警備員は良く見かけました。
しかし彼らは、荷物、くず入れ、ホームの柱の陰などに目を配りますが、こちらと目を合わすことはありませんでした。
“人”より“物”を警戒しています。
“人”はまた別の係り(たとえば私服の)がチェックしているのかもしれません、いずれにしても職務質問など受けることはありませんでした。

さあ、いよいよF1の到着です。
ファインダー越しにFの文字を確認しながら、シャッターを押しましたが、どうしたことか、モータードライブが正常に作動しません。シャッターが粘るように、モーターの間隔が均一でないのです。
AFですと、機械が迷い、往々にしてこうした現象が発生しやすいのですが、MFの置きピンにセットしてあります。
カメラも夏バテか?

確かのこの日も炎天下のホーム先端は、40度を軽く越えていました。
人間だって、かなり乾いていたはずです。
午後の強い日差しの中、
ファンはもちろん、列車を背に記念写真を撮る親子の姿もありませんでした。
普段だと、結構いるのにね。

新幹線F1編成博多発東京駅到着。。P1600313
到着寸前のF1

しかし、何とか抑えました。
レンズは35~100mm(フルサイズ換算70~200mm)です。
捕らえると次の瞬間、レンズ交換をしました。
まず、メーンスイッチをOFFにして、
12~35mm(フルサイズ換算24~70mm)に変えると、
露出の変更です。
走りこむ列車は、雲の動きを考慮して、シャッター優先(S)にセットし、
バックのビルの濃度を考え、露出補整はマイナス3分の2。

レンズ交換後、すばやくメーンスイッチをON。
露出補整を0に戻すと、AFに変更して画角と撮影距離を合わせます。
決まったところでAFをMFに切り替え、再び置きピンです。
露出は真っ白なボディを考慮して、マニュアルに変えました。
めまぐるしい変更です。

こうしためまぐるしき変更理由は、
列車が完全停止する前に、次のショットを抑えたかったからです。

というのは、架線関係の影を避けるためでした。
電車が停止位置に止まると、前面窓に標示のF1文字と影が重なり、煩わしくなるからです。

F1編成東京駅停車。。P1600320
架線の影を避けて撮影

F1編成P1600349
コクピットの文字

P1600355.jpg
曇ったときにシュート。右がF1

こうして何ショットか押さえ、とにかくほっとしながら家路に着きました。

ところが帰宅してパソコンを開いてみると、泉からメールが来ていました。
そこに添付されている写真を見たら、なんと、かっこいいF1の走りが微笑んでいるのです。
前にとっていたかどうか、探し出したのです。

受信時間は、4日目の11時37分。
いらいらしながら鷺沼行きのバスを待っている時刻でした。
なんということだ。
こういう写真を持っていることを、もっと早く知らせてもらえれば、老体鞭打ち4日も粘ることはなかったのにと悔やまれますが、
このところ彼も忙しく、探し出すのが精一杯のようでした。

ま、走り写真のいいのがあってよかった!



*8月下旬ころからF2編成が投入とのことです。










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