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RM401「由利」の写真

RMに連載を始めた「広田尚敬の視線」の写真は、どう感じたらいいのかという問い合わせがありました。
人それぞれに感じていただければいいのですが、よく分からないというのです。

いえいえ、分かっているものの、意図を確かめたり、バックグラウンドを知りたいということのようでした。
そのような人はほかにもいると思うので、
代表的な写真について述べたり、撮影の参考になるように記しましょう。

まずはトップ、3ページの2000形、これは2ヶ所で狙いました。
いずれもアウトカーブのローアングルから撮っています。

雑誌の性格からすると右開きなので右へ進むほうが妥当なところですが、
左頭としました。
理由は、これから由利高原鉄道が、無限にまい進してほしいという願いを籠めたかったからです。
右頭は受身です。
左頭は能動的です。

じつは由利高原鉄道は第三セクター化したものの、経営に明るさがあるとは言えません。
春や夏はこれからです。
努力次第です。
皆さんの応援次第です。
いまは残念ながら暗い冬のさ中です。
しかし暗さだけではなりません。
そのため希望を見出せる左アタマです。

最初の写真は吉沢駅の出発です。

IMG_0995.jpg


ここでは曇り空バックになり、コントラスト不足で、力強く伸びてほしいという願いは遠のいているようです。
もしも晴れて、青空ならいい感じのところだったかもしれません。
しかしあいにくの天候です。

IMG_1019●●rr

2回目は川辺~矢島間のトンネル近くです。
ここではバックを暗めの森にしました。
こうすることで、2000形のヘッドライトが印象的になりました。
画面全体を暗目に落としても違和感はありません。

撮影したのは、昼間の11時23分。
だから肉眼ではこのような暗さはありませんでした。
一日のうちで最も明るい時間帯です。
しかし心理的暗さを表すために、露出アンダーにしました。
このアンダー気味の露出は、このときの私にとって、適正露出だったのです。

印刷物と原画を見比べてみてください。
トリミングが異なりますね。
原画では空、森、雪の相対的な分量に絶妙なバランスのあることがお分かりいただけると思います。
印刷では、写真の天地が切れたことでバランスは崩れ、緊張感が失われました。
商業誌では、良くある出来事です。

ともあれ、暗さの中の、明るさを見ていただければと思います。
片目はストッピングパワーです。

EOS7D+TAMRON18-270mm 実行焦点距離155mm


4ページ下は、改札口で作業を手伝う、社長の春田さんです。
下校の小学生たちが、改札の始まるのを待っていました。
車内は暖かく、明るいので、宿題も出来ます。

RX1


4-5ページの写真は早朝の撮影です。
このとき、普通(一般的、またはノーマル)な考え方なら、下の縦位置写真のように、東の空を狙うでしょう。
きれいだしインパクトがあるからです。

IMG_0680曲沢rr

しかし写真はNormalが良いとは限りません。NotNormalも頭の中に入れておくべきです。
ここでは迷わずNotNormalを選択して、掲載した横位置の写真を捉えました。
神秘的な、荘厳な光景を、弱コントラストの中に見出していたからです。

IMG_0654●●曲沢rr

仰ぎ見た空の深さと、地平線の透明感のある空の青さに、このとき私は宇宙を感じていました。

EOS7D TAMRON18-270mm 実行焦点距離20mm


次の見開き6-7ページには4枚の写真が入っています。
左下は前郷駅で撮影したタブレットの部分です。
朝の光の中で、このつぎはぎだらけのタブレットに、神々しいほどの美しさを感じていました。
原画はレイアウトの都合を考えて、縦横いずれも撮っています。
ピントは、ほつれた糸に求めました。

IMG_0738●●rr
IMG_0733●rr

EOS7D TAMRON18-270mm 実行焦点距離92mm(掲載写真)


もう一枚タブレットの写真を披露しましょう。
こちらは使用しなかったものです。
使用したのは構成的作品ですが、こちらは人間的なところが狙いです。
まるで慈しむように手先が見えた一瞬を捉えました。

IMG_0746●rr


こんどは8ページ上の白っぽい写真です。
かなりのハイキーですね。

DSC04166rr.jpg
DSC04167rr.jpg

この写真も一瞬です。
カメラはプログラムに設定してありましたが、瞬間的にカメラを向けながら撮ったため、露出が追いついていなかったのです。まるで偶然生まれた作品ですが、美しいと感じて使ってもらいました。
印刷では、フォトショップで色彩を若干上げたものを使用していますが、むしろ、こちらの生のままのほうがきれいです。

RX1


最後は名取さんが、お若いときに撮影した、羽後本荘の機関区の作品です。
矢島線(後の由利高原鉄道)などに活躍した、C11が写っています。生き生きと描写されています。
車内で見せていたき、同じ場所の今の姿を、ホームから私のカメラで撮影しました。

写真は熱意です。人と同じようなことをしていては、感動を与える作品は生まれませんし、後世に残る写真は撮れません。

DSC04157rr.jpg
DSC04160rr.jpg











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