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003「常磐線スーパーひたち657系 高浜のカーブへ」

●003 データ
「常磐線スーパーひたち657系 高浜のカーブへ」

特急の走行シーン。スチール写真をフラッシュで。

動画+スチール  1分39秒
撮影: 2013年8月4/5日
制作: 2013年8月15日

●003 動画エッセイ
「常磐線スーパーひたち657系 高浜のカーブへ」

この年の夏は、集中豪雨がすさまじい勢いで日本列島を襲ってきた。南洋のスコールを越えているのではという会話もよく耳にした。そんな天候の中、70Dの撮影が割り込んできた。うん、雨の撮影も悪くない、普段ならそう思うところだが、この年の夏雨は尋常ではなかったから、カメラを雨中に出す勇気はなかった。

普段、“写真は勇気だ”と人には言っているけど、意味合いが違っている。それに手にしたカメラは返すと、すぐに別の人が作品制作に使うというタイトなスケジュールが組まれていた。そうした中で、濡れたら故障、という恐怖は拭えなかった。
 
03-3.jpg


3泊4日のスケジュールを組んだ。雨もさることながら、腰を痛めている妻を連れての撮影なので、ゆったりした行程にした。最初の宿泊地は土浦。単独で泊まるときは、窓の外はすぐに隣の壁みたいなところが多いが、今回はビジネスホテルながら朝日が見えた。晴れるぞ、しめたと思ったのも束の間、昼には降りだした。

高浜のカーブに到着したときは、まだ太陽が望まれた。蝉も声高に合唱していた。651系がデビューしたころは、まだこのあたりは田んぼと丘で、長閑な雰囲気だったものの、道路は整備され、核家族の家が丘に立ち並んでいた。それでも田んぼは残っているのがせめてもの撮影地である。車は細身だったので、軽専用と思しき道も入って行けた。複線の大カーブが曲りきったあたりの空地に止めた。

03-2.jpg


依頼された写真は4ページ。メーンは水郡線なので、ここでは縦位置の特急を1枚撮ればよかった。残り時間は横位置にして動画とスチールである。使用レンズはすべて純正にした。最もこの時点でのレンズは、純正しか持ち合わせはなかった。

フィルターは使用しないが、三脚は部分的に使用した。マイクはカメラに内蔵されているので、それを用いた。防風対策は講じず、そのままなので、時折風の音を拾っている。AFは高速で走る657に、まるで吸い付くように密着してくれた。スチールは、フラッシュのように瞬間的に動画の間に入れることにした。

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およそ3時間ほどいただろうか、妻はその間に辺りに生えている植物を観察していた。藪茗荷が白い花を咲かせていた。その藪の中に茶の小さな、そう30センチほどの高さの木が何本も自生していた。
「きっとこのあたり、むかしは茶畑があったのね」

周囲の畑にはそれぞれ少しずつの豆、サツマイモ、玉蜀黍、などが植えられていた。ミニトマトの支柱は少しばかりひしゃげ、赤い実が地面を這っている。昔は出荷用の茶が植えられていたのだろうが、今は自家用の畑に変っていた。農家の生産流通や家族構成の変化が、畑の変わりようから見えるような気がした。

少なくとも651が走り始めたころは核家族化もそれほど進んでいなかったろうし、農家にも働き手がいたはずだ。

「蚊が少ないわね、この辺り・・・」
散策していた妻の声である。確かに少ない。私も1ヶ所もかゆくない。むしむししたところに自生する藪茗荷があっても蚊がいないのはどうしたことだろう。蝉はいっぱい鳴いているが、トンボの姿は少なかった。わずかに一匹見つけて5Dで抑えた。

環境はやはり変わってきている。このことは否定できなかった。


2013年8月16日
広田尚敬



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