FC2ブログ

2006年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2006年12月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

まさかの特写

「M8のレポートをお願いできますか」
ある日、そんな電話が入りました。
もちろんお受けします。

すでにM8が発表になったときから落ち着かず
情報を集め一日中悩んだりしていた私。
買うべきか見送るべきか。
買うとしても、その前に実物を使えるとなれば何をおいても頑張ってしまいます。
そのとき、日本には何台のM8が上陸していたのか気になり聞いてみました。
皆無だったようです。
数日後、ライカジャパンから真っ先に手渡されたM8です。



LEICA-1
これがM8です。すでに各雑誌に紹介されているのでご存知と思います。装着してい
るレンズは、新しいエルマリート28mmF2.8アスフェリカルです。小型軽量。
シャープで完全に優等生タイプ。フードはズミクロン35mm6枚玉と同じなので、
間違えそう。



レポート、どうぞよろしくお願いします」「こちらこそ」
そんなやりとりから、3泊4日の滞在となりました。
まだ編集部で姿写真も撮っていない、まっさらの状態でした。
その夜はいい夢を見るために(?) 
M8を置いてある事務室の板の間で寝ることにしました。
この状態は結局3泊連続します。

 明け方、まだ暗いうちに起き上がると、毛布から這い出し、引き出しをゴソゴソ。
手に触れたレンズから、ライツ製ミニ三脚にセットしたM8に次々と装着します。
10本ほどのレンズを開放と2段絞りで撮影していくうちに、
東の空は白々と明けていきます。

因みに健闘したレンズは標準50mmでは
コシナのノクトンF1.5と、予想外なことにズミタールF2でした。
たいしたことはないだろうと、テストの最後。
どちらかというと、ついでに記録したズミタールですが、
ズミクロンよりシャープでしかもボケ味がいいのですから驚きました。
もちろん実戦にも持ち出しましたがそこではなんと、
ニッケルエルマーのほうが総合的に好ましかったのが、これまた意外でした。

露出はすべて絞り優先オートです。
高価なスーパーアンギュロンF4は、
露出計の精度を崩したのか極端なオーバーやらアンダーやらで、
暴れん坊のイメージでした。
やはり後玉が極端に飛び出たレンズの露出は注意が必要です。
スーパーヘリヤー15mmは露出トラブルがありませんでした。



撮影は毎日早起きしました。品川駅で遅い朝食を。M8についているレンズはコシナの15mm。ファインダーはライカの21mm用です。15mmは1.33倍すると、 20mmになりますから。


 今回のインプレッションは雑誌「デジタルカメラマガジン」の依頼です。
12月号に掲載されますが、いい点、
悪い点がすべて削られることなく掲載されています。
よくある“ちょうちん持ち”ではありませんので気持ちよい記事になっていると同時に、
皆さんの参考になること請け合いです。
記事のまとめはフリー編集者の杉浦公一さんです。


雑誌発売に先がけて悪い点を3つ申します。


【1】オートホワイトバランスが、時々しか作動しないということ。
古いカメラは撮れたり撮れなかったりと言われていますが
今回のオートホワイトバランスに関しては、この言葉が当てはまります。
それなら、太陽光で撮影すれば大丈夫だと思ったのですが、これも不安定でした。
数字で合わせるのが、もっとも正しいのかもしれませんが
おそらくこの問題は発売までの間にクリヤーしてくれると思います。
天下のカメラメ-カーです。
だいいち、オートホワイトバランスが崩れているカメラなど、
日本のカメラ市場のどこを探してもありません。
どんな安いカメラだって。

【2】オートの露出は順光線の場合はOKです。
しかし逆光線や明るい空が画面に入ると、極端にアンダーになります。
購入すると常に露出の過不足をコントロールすることとなりますが、
この操作が複雑です。ライカユーザーはデジタル化したといえど年々 高齢化することでしょう。
カメラ界全般の年齢がそうなのですからやむをえない状況です。
弱くなった目で見にくい液晶画面をにらみ、震える指先で細かい設定は、
はたして順調に出来るでしょうか。
かつて、日本のカメラはライカを目標にしました。
どんな小さなメーカーもM3を意識していました。
ライカは今、日本のカメラ技術を真剣に意識すべきです。

【3】メインスイッチは、シャッターボタンの外周に位置しています。
電源スイッチはドライブモードを兼ねていますが、S.Cの先はセルフタイマー。
勢いよくスイッチオンするとセルフタイマーが待っています。またカメラを肩に移動中、予期せずセルフタイマーに入っているスイッチを発見することが数回ありました。
いずれもシャッターを切る前に気づきましたが、ここは困ったちゃんです。
2~3はそのままの状態で出荷されることは間違いありません。
はたして次期M9で改良されるでしょうか。
頑固がとりえのライカですから・・・。

3つといいましたが、付け加えると充電器、何であんなに大きいのでしょう。
出張撮影には必要不可欠ですが、
列車での移動では、持ち運びたくないもののひとつです。
カメラが壊れたり陳腐化しても、充電器だけは残りそうです。


 さてさて辛口で印象を語ってしまったM8。
もうコリゴリなのかと思いきや実は既に予約済みです。
購入に踏み切った理由は
旧スタイルのデジタルカメラがライカから発売されることを待っていたからです。
ライカが気になるカメラであることも、挙げられます。
今月は無理でしょう、M8の発売は早くて年末と自分に思い込ませて、
はやる気持ちを抑えています。もちろん、待ち遠しいのが本音です。

 ここで自分自身に質問。
遅かれ早かれツァイスブランドのデジタルカメラがデビュー するでしょう。
より信頼性が高く、価格は半分ほどで。そのアナウンスが聞こえてきても、
M8を求めますか。

「はい、M8は悪いところもありますが、いい点もいっぱいありますから。
そして・・・何とか工面して、両方欲しいと思います。」
こうしてカメラは増えてゆくのでした。



ライカのショウルームは銀座数寄屋橋近くにあります。2階のギャラリーでは、木村伊兵衛さんのパリを展示していました。手前の写真は木村さんが撮影したブレッソンです。



ショウルームの1階には、木村さんがお使いになったM3が展示されています。とても大事に使っていたようで、傷も目立ちません。しばし眺める価値がありそうです。



ライカの方々と私です。手にしたM8には、ズミクロン50mm固定式を装着しています。たまたま居合わせたCAPA編集部の杉山さんがシャッターを押してくれた記念写真です。彼、ライトの吟味などさすが本格的です。

スポンサーサイト



| カメラ | TOP↑

| PAGE-SELECT |