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●005 「若桜鉄道 今日も暑いね」

●005 コメント
「若桜鉄道 今日も暑いね」

撮影は8月末のことで、盛夏というか残暑厳しいというか、数日を費やした山陰地方の撮影は、汗をかきながらカメラアングルを吟味していました。
前夜は鳥取に宿泊し、若桜鉄道の撮影は早朝から挑みました。最初の場所は比較的開け、朝日があたる郡家(こおげ)を選びました。
ところが、郡家付近はJR因美線と並行しています。線路はぴったり並行ではなく、適当に間隔があるので撮りやすいのです。で、張り切って朝から両方狙ったから、体力消耗につながりました。
それが顕著に表れたと思われるのが、隼駅でのパンニングです。列車の動きに、ついていけない状態と見ました。
もっともこのシーン、最初はカメラをフィックスでいくつもりでした。急にパンしたくなったものの、体の位置が適していなかったのに無理やりノーファインダーで回した結果だったのです。
しかしこれって面白い効果です。線路の向うの風景が分かって、なんか得した感じがしました。きれいに合わせてパンしては、家のたたずまいなどの環境は、列車の陰で理解できないから、怪我の功名シーンです。

安部駅には、寅さんの等身大の人形がありました。この駅で寅さんシリーズのロケをしたからだそうです。
そこで、寅さんと思しき人形を生かした撮影をしました。ホーム待合の寅さんを画面に入れながら、走り去るディーゼルカーを、いつもより長く撮影しています。

実はこの情景、ディーゼルカーがホームに入る前から撮影していました。寅さんもディーゼルも明るい太陽に照らされています。ところが発車したディーゼルには陽が当たり続きますが、風向きの関係でホームは曇り。寅さんから光が失せると、存在が弱まりました。まるで寅さんの時代は終わった、ディーゼルに形を借りた別のアクションが、栄光という未来に向けて華やかに突き進むように感じられたのです。

ところが天は寅さんに味方しました。再びホームに日差しが戻り、寅さんがライトに照らされて生き返ったように見えたのです。
寅さんは不滅でした。

この005の映像最後のショットは風鈴です。よく見てください。2つの風鈴の短冊は、風に揺られて何度となく絡みそうになりますが、じれったいほど絡みません。まるで寅さんとマドンナのように・・・。


追伸
寅さん映画が、毎週土曜日の19時から、テレビで放映されています。
これを記しているのは、2014年7月31日ですが、今週末もあるそうです。
寅さん映画、不滅ですね。

何作目でしたか、寅さんが列車を待っているラストシーンがありました。ところが何時間待っても列車が来ない。気づいたらそこは廃線後・・・。
ということで、この廃線廃駅がどこだと、封切りのころファンの間で話題になったことがありました(私は全作見ていない)。
たしか、寅さん映画大好きの原口さん(鉄道ライター)がまだ会社勤めのころ、あれはどこそこ、などと言っていたように記憶しています。

今回、チラ見でしたが、う~ん分からない。原口さんから聞いていたのに・・・。

もう一つ追伸
山陰地方撮影の機材は・・・
CANON Ivis  G10 でした。
スチールは、やはりCANONの7D。
もちろん単独行動です。

さらに追伸
005若桜鉄道をみたビデオ関係者から、
「ラストでホーム待合が出てくるけど、なんで屋根を切ってしまったのか」
と指摘されました。
同じように考える方もいると思いますので、説明しておきますと、
屋根まで入れて待合の全体を写すと、見る人の興味は建物に移行し、建物内部にいる寅さんへの目線が希薄になるからです。

これは人物撮影にも似ているところがあり、
足先はどこまで入れるか、ニーで切るか、という考えにも共通しています。

物語、伝えたい事柄で、画面構成は変わるということです。




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●RM368「雪の花PARTY 東急田園都市線」

●RM368
「雪の花PARTY 東急田園都市線」

雪の夜の電車たち。普段見せない魅惑的な連続シーン。

動画:  6分19秒
撮影:  2014年2月14日
制作:  2014年2月17日

都会の雪は、現実を覆い隠す。さらに日が暮れ、夜になると魅惑的な光景を静かに語りはじめる。
RM誌の撮影がメーンのこの夜のカメラは、ソニーRX1(あざみ野の俯瞰)と、EOS5DmkⅢ(ほかすべて)だった。湿り気を帯びた吹雪にも耐え、幾つものロマン溢れるシーンを描いてくれた、よき友。


S東急あざみ野●DSC05031

S小田急DSC04843


夜景について

わが国最初の鉄道写真コンテストは「鉄道模型趣味」で開かれた。主催が「鉄道ピクトリアル」に移行されると、そこにも毎年応募を欠かさない鉄道写真フェチの私だったが、ピクトリアルになってからの応募は、殆どが夕景あるいは夜景だった。
ところが、ある年の審査で「暗さの中にも明るさがほしい」と指摘されて見事落選。励ましの言葉として受け止めると、夕景夜景は控えるようになった。
審査は錚々たる方々で行われていた。高松吉太郎さん、宮松金次郎さん、西尾克三郎さん、萩原政男さん、黒岩保美さん、西尾源太郎さん、臼井茂信さん。こうした方々が今日の鉄道写真に深くかかわっていたのだが、残念ながら故人。しかし最近宮松さんの若さあふれる作品をRMライブラリー「関東鉄道竜ヶ崎線」で拝見し、懐かしく思うと共に、改めて「明るさが・・・」という、当時のピクトリアルに掲載されていた宮松さんのコメントを思い出していた。
そのころの私は、大好きだった父と母を相次いで亡くし、暗く静かな少年になっていた。夕景夜景を好んで被写体に選んでいたのは、そんな気持ちの表れだった。それだけに宮松さんのコメントが体中に沁みこんだものの、根底に宿る暗い気持ちは簡単に払拭できるものではなかった。
あるとき、太陽のように明るい少女とめぐり合って恋心を抱いた。家庭を築いてからはいち早く家に、子供たちの下に帰るようになり、心の暗さと夜の写真は、次第に過去のものになっていた。
私の写真、映像は、心の叫びでもあるということだ。


構図について

趣味写真に、はたして構図が必要なのだろうか。長いこと、もやもやした考えが体のどこかに存在していたが、最近は“必要ない”と考えている。もう何年も前になるが「撮りかた」を著したとき、黄金分割の方法を記したものの、その後は構図について、いっさい触れることはなかった。趣味写真はアートの眼差しを必要としない。そこに必要な情報がしっかり記録されていることこそが大切なのだ、ということである。
当然のことながら、鉄道写真の世界も同じである。毎月発行される月刊誌の写真を眺めると、そこには黄金分割も、3分割も存在しない。必要なのは先輩たちが築いた方法作法を守ればいいだけのことだ。

この半年ほど、かなり忙しい日々が続いていた。本人はまったく気づかないつもりでいるが、年齢的に能率が落ちたということと、新たに「鉄道動画.com」を構築するため奔走していたからだ。おかげさまで「鉄道動画.com」は、若い方々に支えられてスタートを切れたのは幸である。何年も前からアイパッドのような小型端末機の普及で、鉄道動画の必要性を感じていたからだ。いや、それ以上に動画に対して強い興味を抱いていたからだ。

一昨日、出掛けにまだ封も切っていない雑誌を手にすると玄関を出た。薄くて手軽そうな一冊。バスを待つ間、都心に向かう電車の中で眺めようと選んだのは、サークル誌「モーメンツ」11月号だった。世界的な写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソンに学ぶ“構図の美”を特集している。
そこには“幾何学的リズム”あるいは“力点”という言葉を用いながら作品の黄金分割を分かりやすく力説している。よりよい構図を目指すには何が必要か、基本はもちろん黄金分割に支えられた、3分割としている。
3分割法は昔から唱えられている事柄だし、一眼レフのファインダーなどに、グリッドラインとして備わっているので、ご存知の皆さんも多いだろう。しかしあえて分割方法を記すなら、まず画面の角、ABCDから、AD、BCと対角線を引き、その線に4隅から垂線を引いて交わったところがスイートスポットとするものだ。スポットは当然4つ生まれる。さらにそのスポットから、2本の垂直線、2本の平行線を引くとスイートラインが表れれる。こうしたスポット、ラインを抑えることで安定した画面が得られるというものだ。
私は電車に揺られながら一連の記事を肯定的に読み込んでいたが、同時に内容に違和感を覚えたのも事実である。

そもそも黄金分割とはいつの時代から叫ばれるようになったのだろう。自論ではあるが、ギリシャ建築のビザンチンからしてそうだとなれば、ギリシャローマ時代から存在しているといえそうだ。人によっては洞窟に描かれた原始絵画に始まるという向きもあるが、いずれにしてもかなりの歴史があるということで、写真界におけるその論理は、西洋絵画から来ている節がある。したがってブレッソンの写真を黄金分割すなわち3分割法で分析するのは常識的と判断できるが、私はそこに違和感を覚えたのだ。
「写真は瞬間の喜びであり、幾何学だ。すべては一瞬の構図で決まる」とブレッソンは述べている。ではそこに至る過程はどうなのか。
「絶えず構図を頭に描いている必要がある。けれどシャッターを切るときの構図は直感だ(中略)。黄金分割を探りあてる唯一のコンパスは写真家の眼だ」(いずれもmoments2013年11月641号から引用)
ならば、ブレッソンの眼差し、構図はどこから来たのだろう、3分割法では説明しきれない“深さ”を、私はそこに感じていたのである。

S1,1~3HenriCartierBresson,moments641号から。北斎の版画を髣髴する構図と思えないだろうか。私には波頭が見えてくる。

S2_201403171817003a7.jpg

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HenriCartierBresson[moments]641号から(上3枚)
北斎の版画を彷彿する構図に思えないだろうか。とくに3枚目の作品からは、富嶽36景(下)の波頭が見えてくる。

モーメントに掲載されているブレッソンの作品を眺めていると、いいしれぬ深みがあるのだ。私はその深さの源は、日本の江戸文化にありと考えてみた。端的に言うと葛飾北斎だ。あの躍動感、遠近感は間違いなく北斎の作品に重ね合わせることが出来ると思った。
北斎の作風は、ヨーロッパのアーチスト、たとえばドガ、モネ、ゴッホなど、それまでの2次元を前提とした絵画に多大な影響を与えているのは周知の事実だ。マチスと親しい間柄にあったブレッソンが、江戸文化の存在を知り、影響を受けたことは作品を見る限り否定できない。

私は今、江戸文化と北斎という両方の言葉を用いたが、中味は一つと解釈していただいてよい。実は「富嶽36景」で最も有名な「神奈川沖浪裏」の、あのストップモーションのような浪の描写は、千葉県の欄間彫師、波の伊八の影響を受けている。また、ヨーロッパで話題になった北斎漫画の元になった絵師こそ、北尾政美だ。遠近法、俯瞰などは北尾の才能そのものなのである。北斎という名は今日では外せないものの、総称の江戸文化のほうが適していると感じているからだ。

S北斎「富嶽36景 神奈川沖浪裏」ひととき2013年12月号から 感銘したドビシーは交響詩「海」を作曲した。ブレッソンの原点の一つがここにあると思えてならない。
「ひととき」2013年12月号から
北斎「富嶽36景 神奈川沖浪裏」
この作品に感動したドビシーは交響詩「海」を作曲した。
ブレッソンの原点の一つが、これら日本の浮世絵にあると思えてならない。

これまで写真界の構図論は、3分割法で説明してきたように、あくまでも2次元であることを前提に、水平方向のXライン、垂直方向のYラインで説明してきたようなところがあるが、
私はこれにZラインを加えたい。奥行きである。これぞ鉄道写真では絶対的ラインであり、ブレッソンはじめ多くの写真家が取り入れてきたエクセレントラインであると信じている。

今回掲載した「春遅くして・・・」の、個々の作品を見てみよう。
すべてを通して見ていただくと分かるように、今回の作品で3分割法を活用しているものはない。あるのはZ軸だ。東急あざみ野俯瞰雪景は、中央にレールを配し、未開の土地にズバッと開拓した鉄道を、Z軸を持って表現している。
また小田急LSE7000系は、Z軸を否定することで構成し、この2点を組み写真の軸とした。いずれも外光は殆どなかった。
トップの小田急は現代の都会と鉄道を静かな眼差しで表ししている。一見平和そうな家の灯火をぼかし、何かを予測するようなミラーを前面に配している。不安を予知するように3点分割のスイートスポットは外している。電車はこの写真の主人公であるため、ぼかしてはいるが、最も目に付きやしい対角線の交点に位置している。またテールライトの赤が電車だけでは作品の奥行きに欠けるため、車のテールライトを取り入れた。ただし2灯にすると電車のライトが負けるため、点灯は右側の停止灯のみにした(自分の車)。
ここで大切なのは、クローズドフレームにするか、オープンフレームにするかだ。前者はこの組み写真に必要な要素がすべて整っていることを示し、後者は必要要素は整っておらず、そのほかの作品の存在を示唆するものだ。
ここでは当初、前者のクローズドフレームを予定したが、水平線を傾けることで、一枚で完結することを避けるとともに、不安感をプラスしている。何かありそうだ、次の写真を見てみよう、という流れを生み出すように構成した。地平線とミラーの柱で失われそうな奥行き感にも歯止めをかけてZ軸を生かしている。文章にするとけっこう秩序的論理的に受け取られるかもしれないが、すべては瞬間的直感的に配したものだ。以上3点はRX1Rで無音撮影している。

この組み写真の狙いは当初、無音無彩色で構成するつもりだったが、商業誌であることから幅を広げ、色彩と生活がじかに見える写真も急遽組み入れ、いわば静かな田園都市と、古くからある下町風情をミックスした形になった。
“下町”はディスタゴン18mmを主に使用した。開放値f4の暗さは、被写体に接近することでカバーした。
光には逆二乗の法則がある。光の量は、発光源からの距離の二乗に反比例するという、物理的減光衰退の法則で、ヨハネス・ケプラーが照明・・・いや証明した。
離れて望遠で撮影しても、被写体の電車に当たる光量は一定ではないかと言われそうだが、地表や人物などに当たる光の量は、反射光も含めて大幅に捉えやすいという事実がある(特に地面)。それにZ軸も表現しやすいではないか。

冒頭で趣味写真、鉄道写真には不要といいながら、構図に関する説明を長きに渡って述べた。改めて記すが、客観的記録的写真に構図論は不要である。ただし、アート作品となれば話は別で、特にRMに掲載されている路線別や車両別の組み写真になると内容と構図に対する考え方が重要になってくる。これまでのパターンを踏襲するのが組み写真と思ってはお寒い限りだ。

ところで前回の「春まちゆり」でのZ軸は、変わった方法をとっている。それは作品を見る人の、眼のZ軸を期待したものだ。アップありロングありで、見る人の心理的奥行き感を誘うというものだった。



列車番号RM368 「雪の花PARTY 東急田園都市線」 (HD)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/259560
列車番号RM368 「雪の花PARTY 東急田園都市線」 (SD)
http://www.dlmarket.jp/products/detail/259561

*上記文章は、RM368“視線”にも掲載されている。

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ほんの少し、カメラの話・・・

秋ごろから忙しく、毎月楽しみにしている雑誌も、見る暇がありませんでした。
昨日辺りから余裕が出来たので、一冊ずつページをめくっています。

これはキャパの11月号で、来年(2014年)のデビューカメラを大予測しています。
かなり願望も入ってのことですが、ペンタ6×45あたりは、8000万画素を予測するが、きりのいいところで
いっそ1億万画素を期待と記しています。
景気よくていいす!

でも、技術の躍進もさることながら、所有して撮るのが楽しくなるようなカメラ、いつも持っていたいカメラ、要するに、所有者の琴線に触れるようなカメラがほしいですね。

私がほしいカメラは、C62というカメラですね。
もしもこうしたネーミングで出たら、どこのメーカー製でもかまわず買いましょう。
そしていつも持ち合わせて、どんなときでもこのカメラで撮影します。

でも、DD51命という人もいますし、E7こそという人もいそうです。
そうなると台数は出ないからメーカーは嫌がるか・・・

ならばいっそカメラ名や機種名は出来るだけ小さくして(後部でもいい)、一番目立つところに、希望のナンバーなどを入れるサービスなら出来そうな気がしますが、どうでしょう。

私ならさしずめ、C622,C623,C6227、の3台を注文します。
そしていつも重連で持ち歩きます。

山岳愛好家には、山の名前を注文通り刻印し、野鳥ファンには、丹頂鶴、大鷲、など和名で彫るのもいいですね。

趣味人口は増加しています。
どこかのメーカーさん、トライしてみませんか!
もちろんその趣味に適した最高のカメラでないといけませんが・・・。

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ラッセル撮影

先週末、皆さんとラッセル車を撮りに行ってきました

H14-02h-s-IMG_1163
神谷さん撮影の、津軽鉄道ラッセル車です。
私たちは、写真の右に、薄っすらと見えていますが、レール脇。
彼だけが跨線橋のこの位置でがんばりました。
結果、最高の出来映えです!
すばらしい!

S14-02、124齋藤さん
齋藤さんから送られてきた作品です。
2本の列車を、運転士さんの手で関連付けています。いいスナップですね!

S14-02、039齋藤さん
黒石の一団。齋藤さん撮影です。

S14-02、DPP_20752黒石、高野さん撮影
高野さん撮影の私。黒石です。

S14-02DPP_20751高野さんと
高野さんと私。
高野陽一さんは、3月末から、富士フォトサロンで写真展を開きます。
いずれご案内したいと思いますが、テーマ性のある写真の数々が並ぶ予定です。
ご期待ください!!

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沼尻

●RM9367b 
「日本硫黄沼尻鉄道廃線跡 残る」

レールマガジン367号付録b
“視線”の撮影から半世紀以上、沼尻の駅舎は場所移動して残っていた。

動画+スチール構成 3分47秒
撮影: 2013年4月25/26日
制作: 2014年2月7日

4月といえど寒い日々だった。風もあった。会津鶴ヶ城をはじめ、市内は満開の桜が咲き誇っていたが、山すそに向かう廃線跡は、つぼみ状態。静態保存の車両や「汽車に注意」の石標が現存していたが、今回はカメラを手に、線路跡を静かにたどる印象だけでまとめた。
同時に川桁付近で485系などの小作品を撮影している(近日公開)。

http://www.dlmarket.jp/products/detail/252069

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東急長津田

●RM9367
「洗う 東急電鉄長津田検車区洗浄機」

レイルマガジン367号付録。ほとばしる水。
主演 8000系青帯車、9000系。
助演 東武50050系。

動画: 2分52秒
撮影: 2014年 1月29日
制作: 2014年 2月 2日

『レールマガジン』2月21日売りの367号では、“視線”のほかに、長津田検車区のルポルタージュをまとめている。朝8時30分から翌日9時まで24時間作業を追ったが、その折、洗車を動画撮影した。
ところが洗浄機のレールは、ほぼ真西を向いているため、冬の光では片側日陰なのが残念だ(青帯車の撮影は14時57分)。
日が長くなり、機会があったら、再チャレンジしたい!


列車番号RM9367 「洗う 東急電鉄長津田検車区洗浄機」 (HD)
https://www.dlmarket.jp/products/detail.php?product_id=250232
列車番号RM9367 「洗う 東急電鉄長津田検車区洗浄機」 (SD)
https://www.dlmarket.jp/products/detail.php?product_id=250233


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RM401「由利」の写真

RMに連載を始めた「広田尚敬の視線」の写真は、どう感じたらいいのかという問い合わせがありました。
人それぞれに感じていただければいいのですが、よく分からないというのです。

いえいえ、分かっているものの、意図を確かめたり、バックグラウンドを知りたいということのようでした。
そのような人はほかにもいると思うので、
代表的な写真について述べたり、撮影の参考になるように記しましょう。

まずはトップ、3ページの2000形、これは2ヶ所で狙いました。
いずれもアウトカーブのローアングルから撮っています。

雑誌の性格からすると右開きなので右へ進むほうが妥当なところですが、
左頭としました。
理由は、これから由利高原鉄道が、無限にまい進してほしいという願いを籠めたかったからです。
右頭は受身です。
左頭は能動的です。

じつは由利高原鉄道は第三セクター化したものの、経営に明るさがあるとは言えません。
春や夏はこれからです。
努力次第です。
皆さんの応援次第です。
いまは残念ながら暗い冬のさ中です。
しかし暗さだけではなりません。
そのため希望を見出せる左アタマです。

最初の写真は吉沢駅の出発です。

IMG_0995.jpg


ここでは曇り空バックになり、コントラスト不足で、力強く伸びてほしいという願いは遠のいているようです。
もしも晴れて、青空ならいい感じのところだったかもしれません。
しかしあいにくの天候です。

IMG_1019●●rr

2回目は川辺~矢島間のトンネル近くです。
ここではバックを暗めの森にしました。
こうすることで、2000形のヘッドライトが印象的になりました。
画面全体を暗目に落としても違和感はありません。

撮影したのは、昼間の11時23分。
だから肉眼ではこのような暗さはありませんでした。
一日のうちで最も明るい時間帯です。
しかし心理的暗さを表すために、露出アンダーにしました。
このアンダー気味の露出は、このときの私にとって、適正露出だったのです。

印刷物と原画を見比べてみてください。
トリミングが異なりますね。
原画では空、森、雪の相対的な分量に絶妙なバランスのあることがお分かりいただけると思います。
印刷では、写真の天地が切れたことでバランスは崩れ、緊張感が失われました。
商業誌では、良くある出来事です。

ともあれ、暗さの中の、明るさを見ていただければと思います。
片目はストッピングパワーです。

EOS7D+TAMRON18-270mm 実行焦点距離155mm


4ページ下は、改札口で作業を手伝う、社長の春田さんです。
下校の小学生たちが、改札の始まるのを待っていました。
車内は暖かく、明るいので、宿題も出来ます。

RX1


4-5ページの写真は早朝の撮影です。
このとき、普通(一般的、またはノーマル)な考え方なら、下の縦位置写真のように、東の空を狙うでしょう。
きれいだしインパクトがあるからです。

IMG_0680曲沢rr

しかし写真はNormalが良いとは限りません。NotNormalも頭の中に入れておくべきです。
ここでは迷わずNotNormalを選択して、掲載した横位置の写真を捉えました。
神秘的な、荘厳な光景を、弱コントラストの中に見出していたからです。

IMG_0654●●曲沢rr

仰ぎ見た空の深さと、地平線の透明感のある空の青さに、このとき私は宇宙を感じていました。

EOS7D TAMRON18-270mm 実行焦点距離20mm


次の見開き6-7ページには4枚の写真が入っています。
左下は前郷駅で撮影したタブレットの部分です。
朝の光の中で、このつぎはぎだらけのタブレットに、神々しいほどの美しさを感じていました。
原画はレイアウトの都合を考えて、縦横いずれも撮っています。
ピントは、ほつれた糸に求めました。

IMG_0738●●rr
IMG_0733●rr

EOS7D TAMRON18-270mm 実行焦点距離92mm(掲載写真)


もう一枚タブレットの写真を披露しましょう。
こちらは使用しなかったものです。
使用したのは構成的作品ですが、こちらは人間的なところが狙いです。
まるで慈しむように手先が見えた一瞬を捉えました。

IMG_0746●rr


こんどは8ページ上の白っぽい写真です。
かなりのハイキーですね。

DSC04166rr.jpg
DSC04167rr.jpg

この写真も一瞬です。
カメラはプログラムに設定してありましたが、瞬間的にカメラを向けながら撮ったため、露出が追いついていなかったのです。まるで偶然生まれた作品ですが、美しいと感じて使ってもらいました。
印刷では、フォトショップで色彩を若干上げたものを使用していますが、むしろ、こちらの生のままのほうがきれいです。

RX1


最後は名取さんが、お若いときに撮影した、羽後本荘の機関区の作品です。
矢島線(後の由利高原鉄道)などに活躍した、C11が写っています。生き生きと描写されています。
車内で見せていたき、同じ場所の今の姿を、ホームから私のカメラで撮影しました。

写真は熱意です。人と同じようなことをしていては、感動を与える作品は生まれませんし、後世に残る写真は撮れません。

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RM401(366)「由利高原鉄道 春まちゆり」

●RM401(366)
「由利高原鉄道 春まちゆり」

レールマガジンとのコラボレーション映像第一弾。
主演  全形式。3000形、2000形、1500形、

動画: 7分33秒
撮影: 2013年12月19/20日
制作: 2013年12月27日


●RM401(366)動画エッセイ
「由利高原鉄道 春まちゆり」

年末押し詰まっての撮影旅行でした。「あけぼの」で羽後本荘入りしましたが、さぞかしと思った寝台特急の混雑は予想に反し、我々の乗車した号車に限っていえば、空き空きでした。この車両の寝台利用は羽後本荘まで、夜が明けてからは立ち席特急になります。終焉間近の「あけぼの」に、どうしても乗車したいなら、この車両を利用するのが賢い方法かもしれません。羽後本荘のホームはなかなか風情があるし、途中駅で、乗ってきた列車を見送るのもいいものです。一息ついたあとの楽しみは、もちろん由利高原鉄道がお勧めです。「あけぼの」がなくなれば、アクセスが厳しくなりますから。

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羽後本荘駅を発車した「あけぼの」

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3002が走る

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木村伊兵衛さん撮影の秋田美人。私が学生のころ、この写真が「アサヒカメラ」の表紙を飾った。

動画のファーストシーンは、鳥海山の夜明けから始まります。画面は徐々に明るくなりますが、スチールの一枚写真をフェードイン設定することで、効果を出しました。
動画の中にスチール写真を混ぜる、いわゆる混合列車スタイルは、これまで何本か制作してきました。たとえば、9003「常磐線スーパーひたち 夕立まえ」や、015「小湊鉄道馬立駅 永久に」などが上げられます。しかしここでは、冒頭のワンショットだけスチールを使用しながら、あたかもスチールではない、動画のような演出を試みました。
9003も015も、たまたまあげた作例ですが、今、面白いことに気づきました。スチールの扱いに、それぞれの特徴が表れているのです。しかも顕著に。
9003「常磐線・・・」では、スチールの特徴を存分に生かしています。迫力ある動画の間にごく短時間、スポット挿入することで、スチールの本来持っている静止した力強さが、作品全体の印象、657系の印象を、より強いものに変化させています。
理解を深めるには比較のため、スチール部分を伏して眺めるといいかもしれません。わずか3カット、それも時間にすれば3枚の合計が0,3秒にも満たない小さな存在ですが、作品の全体像に及ぼしている影響の強さを実感できるはずです。
姉妹編003「常磐線スーパーひたち657系 高浜のカーブへ」でも、8点のスチールを6秒強、使っています。ソフトに用いているため、9003ほど顕著ではありませんが、意図は汲み取れると思います。
9003「常磐線・・・」は、『鉄道動画.com』出発時点に無料配布してましたので、お持ちの方は多いと思います。また、可能なら再掲出をお願いしてみましょう。
015「小湊鉄道馬立駅 永久に」では、スチールと動画がお互いに同化するように使いました。全体の長さが9分22秒のうち、25点のスチールを、それぞれ3~6秒ほどで構成しています。
ただ25枚目のショットは、作品の最後を締めくくる印象的なポーズのため、若干長めに使用して、スチールの特徴を現しています。外の撮影から戻ったときに、すかざず片手撮りしたもので、動画では捉えられなかったし表現できないショットでした。
RM401(366)のファーストショットは1点だけ使用したスチールですが、動画のような表情にしました。いわばスチールの動画化です。作品では山を撮影した単数の画像を9秒間に引き伸ばし、フェードインの効果を取り入れました。最初は暗闇ですが、9秒の間に、徐々に明るくして夜明けを演出しています。スチールに動画の役割を与えたことになりました。
スチールも、使い方によっていろいろな表情をしてくれることが分かると思います。

作品に戻りましょう。
鳥海山のシーンからパンニングすると、2両編成のディーゼルカーが進んできます。夜明けのシーンですが、空に、先ほどまでは凍るような表情の月が夜空に張り付いていました。明るくなるにつれて、滲むように、かすかな温かみを感じるようね変化していました。
振り返っての踏切シーンは、車の多さを取り上げました。わずかな時間バーに閉ざされただけなのにこの数、わき道なのにこの数。地方の鉄道がいかに苦しいかはこの数をみれば分かります。
520mトンネル通過シーンはノーカットです。ここは半分くらいに縮めると締まるのですが、あえて手を加えませんでした。何秒で通過しているか割り出せます。
タブレット、スタフの交換は、前郷駅で撮りました。最初のシーンは3000形同士でカメラはパンニング。次の交換は1500形と2000形で、カメラはフィックス。シューターはもう1台のカメラを持って、場を離れました。
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前郷駅で出迎えてくれたキャラ

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1500と2000.1500の前面窓上の小窓は、上り側は閉ざされている。
動画には閉ざされた側が写っている。

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硬券は生きている!

今回はカメラを2台持って旅に出ました。RM本誌にその姿写真が出ていますが、EOS7Dと、SONY RX1です。特に考えてはいませんでしたが、動画はRX1の出番が多かったようです。

そうした中で、吉沢の俯瞰は、スチールRX1,動画7Dとなりました。RM本誌にはこのときRX1で捉えた写真がラストを飾っています。動画は乗降客は日に何人もいないという駅に3002が停車中、ズームレンズで画面サイズを切り替えました。こうすると印象的にもなりますが、編集で時間短縮をしやすいのです。動画も吉沢のショットがラストシーンになりました。

おまけは、名取編集局長が若きときに羽後本荘で撮影したC11の写真です。10代でここを訪れたということは、かなり熱心なファンだったことが想像できます。
私が矢島線を訪れたのは、残念ながらSL廃止後の30代(たぶん)でした。このとき撮影した写真では、下校の小学生が雨上がりの踏切を渡るシーンです。雨が上がっていたのに、赤い傘を拡げている姿がとても愛らしかったのを覚えています。このときのカメラはキヤノンF-1、レンズはシフト35mmを用いました。
今回、その小学校脇を通りましたが、統合したのか、建物はありませんでした。

さて、次回はどこを訪れましょう。



列車番号RM401 「由利高原鉄道 春まち ゆり」 (HD)
https://www.dlmarket.jp/products/detail.php?product_id=248915
列車番号RM401 「由利高原鉄道 春まち ゆり」 (SD)
https://www.dlmarket.jp/products/detail.php?product_id=248916




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031、「あけぼの、583、日本海、津軽平野 秋・冬」

●031
「あけぼの、583系、日本海、津軽平野 秋・冬」

すべて列車の走行シーン。秋、冬、2つの季節に撮影。
主演「あけぼの」 助演「日本海」、583系ほか 

動画  3分57秒
撮影: 2011年 9月 8日
    2013年 3月 3日
制作: 2013年11月17日


●031 動画エッセイ
「あけぼの、583系、日本海、 津軽平野 秋・冬」

この冬が最後となりそうな予感がします、冬景色は。いえいえ予感ではありません。すでに決定です。車両の老朽化やメンテナンスを考えると、過酷な気象条件の最後の真冬を、乗り切ることが出来るでしょうか。

あるとき、青森発日本海側経由、上りの個室寝台に乗車していました。終着駅上野が近づいてきたので、とりあえずデッキに出て東の空を見ようとドアノブに手をかけました。ところが、開かないのです。スライドドアだから横に引けばいいだけなのに、動きません。何回もトライしましたがだめです。車掌さんに直接連絡するすべもありませんでした。
病院などでは入院患者のベッドサイドに、ナースコールがあるそうです。押せば看護士さんが、「どうしましたか」と駆けつけるそうですが、そのようなものはブルートレインにはありません。仮にあったとしても、命がどうこうというわけではないので、押すことはためらったことでしょう。上野に到着したら、係員が乗客の下車を確認に来るはずで、そのときを待てばいいだけです。もしも来なければ、しめたもの、めったに入れない車庫まで行けるかも知れません。
そう考えたら気持ちは楽になりました。デッキに向かう乗客たちの足音が、やがて、開かない扉の向こう側から聞こえてきました。
夜は静かで、乗客は私一人と思ってましたが、結構な数の足音が聞こえます。どんな人たちだろうと、開かないはずの扉に手を当てました。ところがどうしたことでしょう、開いたのです。え、なんで?これでは車庫に行けないではありませんか。
どうやら構内進入のポイントのゆれで、故障が直ってしまったようでした。

「あけぼの」は、1970年に誕生しています。SL全廃の5年前のことでした。私たちファンは、この列車について、3つのエピソードを思い出すでしょう。
一つは2本あった「あけぼの」の1本が「鳥海」になり、本来の「あけぼの」が廃止になったものの、「鳥海」が再び「あけぼの」の名に復活したことです。
二つ目は、本来、奥羽本線経由だった「あけぼの」が、山形新幹線関係で陸羽東線経由となり、ここでDE10の重連に牽引されたこともエキサイティングなエピソードです。深夜のため、撮影は厳しかったことも話題になった列車でした。
三つ目は、使用客車です。「あけぼの」は、最後まで20系を使用していたブルートレインとして親しまれてきました。
20系の誕生は、ビジネス特急「こだま」20系(後の151系)とほぼ同時期、1958年10月(「こだま」は11月)です。それまでの客車は1台単位で、列車の性格によって集め、組み立て、構成されていました。それが20系から単位は1本の列車になったのです。ほかの客車を連結することはなく、列車は20系だけで構成されました。色彩は深みのあるブルー、これも人気の要因でした。ブルートレインはその後、ご存知のように14系、24系、24系25形と進化してゆきますが、最も優雅な形態をした20系に憧れを持ち続けたファンは沢山いました。
「あけぼの」は1980年、24系にバトンタッチするまで、20系を最後の最後まで使いぬいた列車だったのです。

津軽平野は豊かな広がりを見せています。その中央にそびえるのが岩木山。地元の人たちは津軽富士と、親しみをこめて呼んでいます。平野に独立している山だけに、奥羽本線、五能線、弘南鉄道、どこからも見ることができます。
031では、「あけぼの」「日本海」が、山裾をゆったりと走る姿を眺めることができるでしょう。この区間は「つがる」E751系も走っています。019「奥羽本線鶴ヶ坂驟雨」では峠の先で彼らを捉えていますので、そちらも見てください。気分爽快になりますよ。

2013年12月21日



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006,「京王井の頭公園駅 秋から冬へ」

●006 データ
「京王 井の頭公園駅 秋から冬へ」

身近な鉄道の身近な電車を、秋と冬に撮影。
主演: 10ショットの1000系

動画  5分00秒
撮影: 2012年 1月13日
    2013年11月29日
制作: 2013年11月29日



●006 動画エッセイ
「京王 井の頭公園駅 秋から冬へ」

寒さの厳しくなる冬になると、SL撮影には絶好ですが、どちらかと言うと都会の電車には、さわやかな季節のほうが適しているようです。冬は日が短かくなるし、ビル影は長くなるしでいいことはありません。それにホームの人はいかにも寒そうで色彩も地味で黒が多いのも、明るい色の好きな私には気になります。でも首都圏の1月はまだ秋の終わりの雰囲気で、狙いようでは暖かさを出せる、ぎりぎりの季節です。

そういえば箱根の紅葉、大平台付近のフィルム時代は12月に入ってからが見ごろでした。最近は地球が変わってきたのか、012「箱根登山鉄道 錦」は11月24日に様子見して、27日に撮影しています。撮影は2010年のことなので、今年の秋はもう少し早いかもしれません。

井の頭線の冬バージョンは1月13日です。穏やかな日和で、陽だまりに佇んでいると天道虫が肩に止まって、おいおい君たち冬なのに大丈夫かと、声をかけたくなるほどでした。
カメラはCanonIvisG10です。毎年2月に開かれるカメラショー、CP+でのトークに使うショットと、それに絡んで「鉄道ファン」に連載する作例を撮るためのショートトリップでした。
G10は固定の10倍ズームレンズを装着、電動ズームが使えるのが特徴です。スピード調整が多彩だし、動きがスムーズなので、この006でも最後のショットにズームを用いています。でも、キヤノンから預かったばかりだったので、恐る恐るの感じでした。

この作品は冬だけでまとまっていたのですが、トップの映像に大工さんの作業音が大きく入っていました。
「これって気になりません? 視聴者の方が奇異に感じそうです。代わりのショットはありませんか」
アシスタントを買って出てくれている山本君の意見です。
撮った本人は、魅力ある現場音と捉えていたのですが、言われて客観的に聴いてみると、ヘッドホンから流れてくる音はたしかに目立っています。すぐ近くの踏切音より大きいのです。

「よし、では撮りなおしましょう」
風のない穏やかな日に出かけました。冬バージョンの撮影から2年近くたっているので、家の改築もとっくに終わっているだろうと、くだんの踏み切りに差し掛かりました。ところがところが、音がするではありませんか、建築の。
しかも前より重い連続音です。カメラをセットしたものの撮るどころではありません。地響きでカメラも小刻みに揺れるのです。
様子見に行きました。最初は踏み切りに隣接している家とばかり思っていたのに、数棟離れたところでした。まだ売れてない建売があって、その隣でボーリングらしきことをしているのです。大掛かりなので温泉でも掘っているのかと近所の方に尋ねると、家を建てるための地質調査ではないかということでした。しかしこうした連続音が2年近くでは、近所の方々の生活が思いやられます。

一旦駅前に引き上げました。見回して2階のコーヒーショップで小休止です。撮影時間は、大工さんたちの昼休みと狙いをつけたら、見事的中! がんがんとした音と一緒に唸っていた発電機もぴたりと止んでいました。今だ!
急いでカメラをくみ上げスタンバイに入りました。今回は例のヘッドホンを持参しています。編集だけではなく、撮影にも使おうというわけです。耳にあてると、やばい、踏み切りの向うにいる、おばちゃんたちの立ち話が聞こえてくるではありませんか。耳を凝らすと話の内容も分かるようで、これはまずい。でも昼なんだからすぐにも食事で戻るだろうと高をくくっていましたが、一向に終わらないのです。やきもきしていると風も出てきました。午前中はとても穏やかだったのに、12時を過ぎて急な変化です。都会の撮影はママなりません。

運よく、バイオレットカラーの各駅停車が井の頭公園駅を発車したときは、断続的な風の狭間に入り、マイクにかぶせたジャーマーの細毛も落ち着いています。さらにもう一つ、運がいいことにプロペラ機の長閑な音が聞こえてきました。これがいいのです。秋から冬にかけての澄み切った高い空を表現する絶好の隠し味ならぬ、隠し音です。スチール撮影ではまったく関係ない音が、動画ではプラスになったりマイナスになったりで、趣味的には楽しめるところでしょう。この辺りは調布飛行場の航路になっているようで、機影は見えませんが音は苦にならない程度に・・・、単発でなく双発かな。気持ち音量過多だけど、電車の接近音に程よくカブリ、心の中で思わずガッツポーズです。

1000系1729の編成は、2013年の春ころレインボーカラーになって走行しているシーンに出会いました。この編成、初期のころはたしか、正面のFRP部分はブルーグリーンだったように思いますが、レインボーカラーになってからは1000系初のホワイトです。車内照明のLED化を期して外観も特徴つけたのでしょう。
撮影していて不思議だったのは、サイド窓下、編成5両に渡るレインボーカラーのグラディーションをどうやって付けたかということでした。グラディーションフィルムはたぶんないので、電車に合わせ、現場で造ったものでしょう。モノトーンならフィルムを貼るだけで表現できます。でもこの編成はオーバーラップという至難の表現なのです。
自分で貼ることを考えてみました。まず不透明の白いフィルムを貼る。その上に透明のカラーフィルムを、部分的に重ね合わせるようにしながら次々と貼っていく・・・。でも難しいでしょうね、まっすぐに張るのもさることながら、部分的には3枚になるから厚みが出て・・・。あるいは最近のインクジェットプリンターなら、調整さえ整えば至極簡単に1枚のフィルムに虹色を表現できるのでしょうか。正解を知りたいものです。

駅名になっている井の頭公園は、最近まで駅の東側と思っていました。西側は何だか家が立ち並び、東側に樹木が多く見られたからです。改札を出てもそんな雰囲気ですが、西側が正解だそうです。この006では、踏切から駅を撮影したシーンが何回か出てきますが、ホームの左側が西、公園はそちら西側に広がっているそうです。

今回は冬の撮影も秋の撮影も、すべて電車主体でした。ほかの被写体にカメラを向けたのは、唯一、踏み切りのワンちゃんだけです。レールを跨ぐしぐさに愛らしさが感じられる老犬ですが、このショットが遅秋と初冬をつなぐ、大切な役割、ブリッジとなりました。

お気づきかもしれませんが、初冬のオレンジ色の1000系は全部で4編成いるものの、3ショトとも1713の編成を撮影しています。また、駅通過の後方から狙ったブルーグリーンの急行は、レインボーカラーになる前の、1729の編成でした。

季節を変えて、またここに立ってみたいと思っています。

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